舗装用平板施工仕様(例)
「これは、当協会の舗装用平板施工仕様(例)です。設計施工を行う際は各自治体や施主が指定する仕様に準拠して下さい。」


はじめに

 景観舗装における社会的ニーズの高まりを受け、景観舗装材料としての品質や機能性の標準化とともに、その舗装構造がバリアフリー空間の耐久性に与える影響が懸念されている。

 当協会30年の経験と実績を踏まえ、景観材料による正しいバリアフリー施工方法として舗装用平板施工標準仕様書をここに提示した。本施工標準仕様書で使用するコンクリート平板は、縦横寸法が300mm以上のものを対象とした。
平板舗装は、コンクリート剛性舗装構造の分類に属し基本的にインターロッキングブロック等のたわみ性舗装とは構造的に異なるものであり適正な施工を行うことによって不陸などの発生による変形が起こりにくく施工時の平たん性を長く保ち耐久性のあるバリアフリー歩行空間を実現することができる。

 近年、製品規格やサイズ形状の多様化により、一般歩道用にのみならず車両乗入れ部においても簡易施工方法として、たわみ性舗装を用いることが多くなってきている。荷重分散作用の働くサイズではない平板の敷設においては目地交差部の集中荷重によるポンピング作用で砂の流出、吸い上げ、堆積などで路面の不陸が生じやすく、品質を保つために短周期のメンテナンスが必要になるので適切な施工方法を選択する必要がある。

 本書で提案している敷きモルタルによる施工方法は、平板と路盤とを一体化し、荷重をモルタルを通して路盤に伝達するので一般の状況下では不陸などの発生による変形が起こりにくくなり、長期間に渡ってバリアフリー空間を実現できる。
 本書が広く活用され、適正な施工によってより良いバリアフリー空間が得られるために有効に機能することを期待している。

1 適用範囲

この施工標準仕様書は、歩行者系道路舗装の一般部と車両乗入れ部にコンクリート平板を用いた平板工事に適用する。
歩行者および自転車道、公園の道路、広場、アプローチ、橋梁の歩道部分、ペデストリアンデッキなど主に歩行者および自転車の走行の用に供する道路や広場に適用されるものを歩行者系道路と呼び、その舗装を歩行者系道路舗装という。
本施工標準仕様書が対象とする歩道・自転車道の舗装とは歩行者、自転車の交通に供する他、管理車両や限定された一般車両も通行する歩道・自転車道である。
(1)一般部
  一般部の舗装構造における構造区分は、車両の利用も考慮して以下の2種類とする。
  1) 区分T:歩道や自転車道で、もっぱら歩行者及び自転車の通行を想定した場合。
  2) 区分U:公園や商店街の歩行者系道路で、歩行者や自転車以外に4トン程度以下の管理用車両や限定された
   一般車両の通行を想定した場合。
(2)車両乗入れ部
  車両乗り入れ部の区分は以下の3種類とする。
  1) 1種:軽車両の車両乗入れの場合。(2t程度)
  2) 2種:中車両の車両乗入れの場合。(6.5t以下)
  3) 3種:重車両の車両乗入れの場合。(6.5t超えるもの)
  機能別平板舗装の標準舗装構造を表1.1に示す。

  1) 目地に使用する砂は、2.5mm以下で泥分を含まないものとする。
  2) フィルター層は,路床細粒分の上昇、粒状路盤材の細粒分流出による路床支持力の低下、浸透能力の阻害が
   懸念される場合に設置する。フィルター層は路床の浸透性能以上の透水性能をもち、細粒分の流出防止に効果
   がある砂や不織布といったものを使用する。
  3) 排水性舗装とする場合は、普通(非透水)舗装における目地を「目地幅3〜5mm珪砂4号又は5号」と読み替え使
   用する。平板は、透水性平板を使用するほか排水機能層の下には雨水が浸透しない不透水性の層を設ける。
  4) 積雪寒冷地における舗装は、凍結深さが15cm以上の場合に凍上抑制層を設ける必要がある。
  5) 機能別平板舗装の標準舗装構造は、「舗装設計施工指針(平成18年2月 社団法人 日本道路協会)」、「道路
    工事設計基準(平成16年4月 東京都建設局)」に基づき標準的な例として示した。実施にあたっては、車両等の
    通行量及び地域に応じた検討が必要である。

2 製 品


2.1 舗装用平板
(1)平板の品質はJIS A 5371『プレキャスト無筋コンクリート製品 付属書2』に示される品質基準以上とし、
   同規格以外の平板寸法品においても、同規格の他の品質基準を準用する。
(2)視覚障害者誘導用平板は上記品質基準の他にJIS T 9251『視覚障害者誘導用ブロック等の突起の
   形状・寸法及びその配列』による。
  1)平板舗装において平板そのものの外観や品質などが、舗装の幾何学的景観や耐荷重性能といった
    構造的な機能、あるいは耐久性に直接影響を及ぼす。そのため、平板は形状・寸法及び品質が
    JIS A 5371の規格に適合および準用するものを使用するように規定した。
  2)視覚障害者誘導用平板はJIS T 9251に規定される300o角以上の製品を用い、施工にあたっては
    「移動円滑化整備ガイドライン」「視覚障害者誘導用ブロック設置指針・同解説」並びに各地方自治
    体発行の「まちづくり条例・指針」等を参照し、周辺の色調との明度比、輝度比、輝度対比等の対比
    効果を考慮する。

  3)
平板舗装の目的として、周囲の環境との調和を図り快適な歩行空間を演出することがあげられる。
    したがって、指定した色、仕上げ加工、石種などは設計者の指定したものと実際のものとを見本品等
    で確認する。


2.2 性 能
普通平板、透水性平板の性能を表2.1に示す。



平板の曲げ強度荷重を表2.2に示す。


3 施 工


3.1 施工手順フロー


3.2 施工手順と留意点
(1)施工材料の品質
  1) 舗装用平板は前項「2 製品」に掲げる「2.1 舗装用平板」および「2.2 性能 」に適合又は準用したもの
     を使用する。
  2) セメントは、JIS R5210:2003『ポルトランドセメント』に規定する普通ポルトランド
     セメント、もしくは,JIS R5211:2003『高炉セメント』に規定する B種高炉セメントを使用する。
  3) 砂は清浄、堅硬、耐久的で適度の粒度をもち、ごみ、小石、泥、有機不純物、薄い石片、細長い石片
     などの有害量を含まず所用の耐火性、耐久性を有するものを使用する。
    @:敷きモルタル用砂は粒径5o以下でかつ泥分が少ないものとする。ただし、透水平
      板用の空練りモルタルに使用する砂は一般の粗目砂を使用する。
    A:目地モルタル用の砂は、粒径が2.5o以下で泥分が少ないものとする。
      ただし、透水平板用の目地砂は硅砂4号、又は硅砂5号を使用する。
  4) 設計図書、および設計者の意向により、あらかじめ特別指定された材料使用の場合はこの限りでない。

(2)事前承認および確認事項
  1) 舗装用平板の見本を発注者もしくは現場管理者に提出し材種、材質、形状、寸法、色調等の承認を受ける。
  2) 路盤は交通荷重を分散させて安全に路床に伝える役割を果たす重要な部分であるため、
    耐久性に富む素材、平たん性および転圧状況等を確認する。
  3) 縁石等で端部拘束されているか確認をする。
  4) 路盤に表面排水又は工作物との取り合いに必要な水勾配がとれているがどうかを確認する。

(3)墨出し
  1) 墨出しは重要な作業であり、他工事と関連があるため、発注者の現場係員の立ち会いのもとで位置を確認する。
  2) 基準線やベンチマークに基づき、水糸を中弛みのないように強く張り平板の仕上がり高さを設定する。

(4)モルタルの敷きならし
  1) 敷きならし、転圧を行う前に路盤上の浮き石や小石などを取り除くとともに、路盤面
    の不陸や支障となる障害物がないことを確認しておくことが必要である。
  2) 舗装勾配は必ず路盤面で確保し、敷きモルタルの厚さで勾配を確保してはならない。
  3) 材料は適当な間隔で路盤上に仮置きする。
  4) モルタルの敷きならし時の余盛厚さは、モルタルの締め固めおよび路盤の使用材料に
    よる路盤への食い込む量により異なるので調整する。
  5) 舗装用平板施工に最も適した敷きモルタルは、空練りモルタル(積雪寒冷地においてはモルタル)
    であり、セメント:砂の比率が容積比で1:3(透水平板舗装の場合はセメント:粗目砂=1:5)のものを用いる
    のが望ましい。
    @:空練りモルタルおよびモルタル用砂は粒径5o以下でかつ、泥分が少なく、ごみ、
      小石等含まない川砂(洗い砂)を使用する。透水平板施工に使用する空練りモルタ
      ル用砂は一般の粗目砂を使用する。
    A:透水性平板施工において一般的な空練りモルタル配合(セメント:粗目砂=1:5)
      の敷きモルタルの透水係数は1×10ー2p/sec以上の値を有する。
  6) 空練りモルタルおよびモルタルの練混ぜは機械練りを原則とし、練混ぜ後の著しい水分変化が生じない
    ような状態に保つ。夏期又は乾燥期において砂が湿潤不十分なときは適宜散水する。
  7) 空練りモルタルおよびモルタルの練り置き時間は60〜90分以内とする。
  8)表面は、厚みや勾配を点検しながらコテや木製定規で平たんに仕上げる。

(5)舗装用平板の搬入
  1) 舗装用平板の搬入に当たっては、トラック等を用い関連道路の交通規制に従う。施工現場で小運搬を
    必要とするときは、レッカー車、フォークリフト、一輪車等を適宜使用する。
  2) 受け入れに当たっては、材種、材質、形状、寸法、色調、数量等を確認し、前項の搬入・小運搬の際は、
    製品にキズ等をつけないように細心の注意を払い作業を行う。

(6)舗装用平板の選別および保管
  1) 舗装用平板は搬入時、もしくは小運搬完了時において選別を行い、万一不良があるときは場外に運び出し、
    使用しないこと。
  2) 保管は種類および形状に区分し、シートなどで覆いをし、雨などがかかる場所には保管しないよう注意する。

(7)舗装用平板の据え付け
  1) 舗装用平板施工の開始場所の留意点
    縁石などで囲まれた連続面は一方向から敷設し、二方向以上からの敷設により作業が合流することのない
    ように計画する。
  2) 平板の仕上り後に,所定の設計基準面が得られるように敷きならした敷きモルタルの上に平板を置き、
    水糸の高さと面一になるまでプラスチックハンマーか、木片を介したハンマー等で平板表面を十分に叩き込み、
    敷きモルタルが20mm程度目地部に盛り上り、平板がしっかり固定するように圧着据え付けを行う。
    基準線の水糸により絶えず高さと目地線の通りを点検しながら据え付ける。
  3) 車両乗入れ部および商店街の車路などで敷きモルタルに空練りモルタルを使用する場合は、平板と敷き
    モルタルとの密着性や舗装強度を高めるために平板と空練りモルタルの間にセメントミルク(ノロ)を散布するこ
    とが望ましい。

(8)目 地
  1) 突きつけ目地は、平板の角欠けの原因となるので目地材に応じ適性な目地幅を確保しなければならない。
  2) 目地に砂を使用する場合は、粒径が2.5o以下でかつ泥分の少ないものを用い、仕様書および設計図書に
     基づき3〜5oの目地幅を設け、ほうき、デッキブラシなどで掃き込み充填する。
    透水平板の施工に使用する目地砂は珪砂4号又は珪砂5号を使用する。
  3) 目地にモルタルを使用する場合は、仕様書および設計図書に基づきトロ状モルタルでは3〜5mm、
     軟練り・固練では5〜10mmの目地幅を設けモルタルを目地に充填し、舗装用平板の表面に付着した
     モルタルを除去したあと必要に応じて目地コテで押さえる。
  4) 目地材の充填が不十分の状態で供用すると大きな変形が発生するおそれが生じるので、舗装供用前に
     目地材の充填は十分に確認する。

(9)切断加工
  1) 割付の半端部分および工作物回りの舗装用平板の切断は、ダイヤモンドカッターもしくは専用の切断機
     にて丁寧に行う。

(10)端部処理
   舗装端部の仕上がり精度は、美観だけでなく平板舗装の供用性能におよぼす影響が大きいので他の
   舗装との境界部分や縁石、排水側溝やマンホール周りなどの端部は、次の方法で処理を行う。
  1) 定格寸法の平板で納まらない場合には、平板をカッターで正確に切断したカット平板で納める。
  2) 端部平板の寸法が小さく安定性に欠けるときは、隣接の平板より切断するなどして安定性に考慮する。

  3) マンホール周りの処理にはカット平板による処理、現場打ちコンクリートや樹脂系アスファルトモルタル
    による処理等があり平面設計の割付に応じて施工する。
  4) 端部処理を行う場合には目地幅の過大には十分注意し、縁石・マンホール・端部拘束物および他の舗装
    材料等との境界部分も所定の目地幅で平板を納めることが必要である。

(11)伸縮目地
  モルタル目地を用いた温度差の著しい時(炎天下、寒冷地)の施工や橋面の舗装には、熱や不可抗力から
   発生する収縮・膨張等を考慮して、縦横ともに5〜8m毎に幅10〜15o程度の伸縮目地を設けてエラスタイト、
   もしくはポリサルファイド系のコーキング材を挿入する。基層がある場合の平板舗装の伸縮目地は、基層と
   同一個所に設ける。

(12)仕上がり確認
  施工完了時において下記の仕上がり状況を確認する。
  1) 平板舗装面が設計図書に指示されたとおりに敷設されていること。
  2) 段差なく平たんであり、勾配も指示どおりのこと。
  3) 目地に目地材が十分充填され、目地の通りがでていること。
  4) 敷設された平板に支障となる破損やひび割れがないこと。
  5) 縁石やマンホールなどの納まり部の隙間が大きく生じていないこと。

(13)モルタルの養生
  1) モルタルの養生は供用前に夏期は2日間、冬期は3〜4日間は養生を行う。
  @:冬期における凍結のおそれがある場合および直射日光等の影響がある場合にはシート養生も考慮する。
  A:車両乗入れ部の供用前の養生は十分行う必要がある。
  2) やむを得ず養生不十分な状況で舗装を供用しなければならない場合には、土木用ゴム養生マット、
     コンパネ等を使用して舗装用平板および路盤に無理な集中荷重がかかることのないように配慮する。
(14)完工
  養生後、指示どおりに施工が行われているか自主検査を行い、確認終了後で完工とする。


4 維持管理


4.1 維持管理面での利点と注意事項

  1)舗装用平板舗装の特徴的な利点は、元の舗装ブロックを再使用して修理を効果的に行うため、舗装の極めて
    小さな領域を取り外し、かつ入れ替えることができることである。
  2) 不良箇所が発生した場合、不良箇所と周辺との支持力の均一性を図るため、路盤の不陸の修正を行う必要がある。

4.2 予防的維持補修

 予防的維持補修の最も効果的なやり方は、シリコン、アクリルおよびシリカフッ化物のような透明な塗布材を
   用いて舗装材を被覆する事である。

  1) 色調を高める
    シリカフッ化物を除く大部分の塗布材は、表面の反射や屈折等の変化によって色調に深みを与えて、
    舗装表面に湿った感じや輝きを与える。

  2) 吸水性を減じる
    吸水性を減じると、車両から漏れるオイルや遊歩道域における食べ物や飲み残しのこぼれによる舗装材の
    痛みを減じる事ができる。

  3) 表面の頑丈さを改善する
    舗装材の微細な表面組織を束ね、かつ保持することによって、塗布された表面は風化や、すり減りによる
    表面組織の変化を遅れさせる。
    被覆は選ばれた材料と現場による使用条件によって異なるが1〜3年の寿命を持っている。したがって、
    適切な頻度のバックアップを行えば被覆は有効な予防的維持補修といえる。

4.3 清掃と付着物除去

  1)舗装用平板はポリッシャー、真空式掃除機、ウォータージェットを用いて掃除することができる。
    しかし目地に砂又は珪砂を使用した場合、施工後に目地が十分に安定するには2〜3か月かかるので、
    それ以前に清掃作業を行うと目地砂の消失によって平板舗装の構造的な安定が害されるので注意が
    必要である。

  2) 汚れの種類、付着混合物に合わせた対処を考慮する必要がある。汚れ等が局部的に限定されたもの
    でアスファルト等の油汚れなどの場合は洗浄を試みるよりも、維持補修用の平板で取り替える方が適切
    な場合がある。

  3) 舗装用平板の表面が変色する最も一般的な原因は白華(エフロレッセンス)である。
    白華は一時的な現象であり、時間経過とともに歩行者や車両により摩耗消滅するが、短期的に洗浄剤を
    使って一時的に除去できる。ただし、洗浄剤を使用した場合は速やかに舗装平板表面から水で洗い流す
    必要がある。



5 標準施工断面図例および施工標準歩掛り